『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』/感想

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4月1日の映画の日に鑑賞。

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
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不朽のヒーロー「スーパーマン」をリブートした「マン・オブ・スティール」の続編で、ヘンリー・カビル演じる主人公のクラーク・ケント=スーパーマンに加え、DCコミックを代表するヒーロー「バットマン」も登場。「アルゴ」のベン・アフレックブルース・ウェインバットマンを演じる。そのほか、同じくDCコミックの「ワンダーウーマン」も参戦し、イスラエル出身の新星ガル・ギャドットがダイアナ・プリンス=ワンダーウーマンに扮する。スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーには「ソーシャル・ネットワーク」「グランド・イリュージョン」のジェシー・アイゼンバーグ、ブルースの執事アルフレッドにジェレミー・アイアンズ。監督はザック・スナイダーが続投、脚本に「アルゴ」でアカデミー賞を受賞したクリス・テリオが参加。
参考リンク:バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 : 作品情報 - 映画.com
 
 
 
感想
注:ネタバレあり
 
 
 
 
 
 
 
正直、面白いか?誰にでもオススメできるか?と聞かれたら首を縦に振ることはできない。どの要素も褒めることより、ツッコムことの方がはるかに多い。それでもある程度満足したのは自分がバットマンが好きだからだろう。
 
スーパーマンの前作『マン・オブ・スティール』の続編となっているので、『マン・オブ・スティール』を観ていないとキツいと思う。注意が必要。
どちらかと言うと『マン・オブ・スティール』の世界にバットマンがいる形となっている。前作でスーパーマンの誕生を描いているので、今回はバットマンなのだが、どうもバットマンの描き方があまい。冒頭にタイトル、スタッフ・キャストをバックに両親が殺され、ウェインが井戸に落ちて、恐怖の対象のコウモリとの出会いが描かれる。その後に『マン・オブ・スティール』のラスト、破壊される街にウェインがいた様子が描かれ、ウェインの会社と社員が傷付けられた憎しみがスーパーマンを倒す動機として示されている。その2つのシークエンスは両方とも個人的に今作のハイライトだったが、2つのシークエンスがウェインの動機として繋がっていないので、ウェインがあやふやに描かれている。詳しく言うと前者はバットマンになる動機、後者はスーパーマンを憎む動機となる。その両方を語らないと今作最大の見所、バットマンとスーパーマンの対決が描けないことはわかるが、ウェインは結局何を憎んでいるのかが分かりづらいし、とっかかりを見せられても過程が分からないので、感情移入できない。
要は時間が足りないということ。
バットマン ビギンズ』のようにしっかりと誕生までを描くのであればいいのだが、ティム・バートンの『バットマン』のように誕生を描かないやり方をとっているので、脳内で『バットマン ビギンズ』を思い出さないと意味不明。しかも語る気がないのに両親の死を最後まで引っ張るので観客はキョトン。あれをやるならば、両親の死とスーパーマンが関係しているやり方が良かったと思われる。もしくは面倒ではあるが、『バットマン ビギンズ』をもう一度やること。
スーパーマンがほとんど出てこないバットマン単体で、バットマン誕生までを描く作品を作ればよかったのだ。
 
今作はDCコミックのアベンジャーズ、『ジャスティス・リーグ』をやるための作品となっている。『ジャスティス・リーグ』をやる前に、単体では『マン・オブ・スティール』のみで『ジャスティス・リーグ』主要キャラの顔合わせは早いと思う。結婚を許してくれない両親の気持ちである。つまりはアベンジャーズのようにそれぞれ単体作品をやってから『ジャスティス・リーグ』でも今回の『バットマンvsスーパーマン』でもなんでもやればよかろうに。焦ってしまったのが大問題。注目のシリーズなのに勿体無い。
 
スーパーマンは超絶全能のヒーローだからこそ、扱いが難しい。正直、映画的に無理なのかなと思ってしまう。スーパーマンと対等の敵は同じく地球外のエイリアン。対処方法は地球外のエイリアンと戦わすか弱点の鉱石を使うか。それ以外のミスは全てスーパーマンがバカに見えてしまう。今回で言うと、スーパーマンの母が捕まったときとか、場所とかすくにわかりそうだと思ってしまう。リアル志向の今回でもこんなんなので、諦めたほうがよろしいかと…。
また公聴会での対話シーンを無くしてしまったのは個人的に残念。
それとバットマンはやはり人間なので、スーパーマンと同じ土俵にのせるより、アベンジャーズのように身丈にあった敵と戦うように『ジャスティス・リーグ』ではして欲しい。
 
また今回登場のワンダーウーマンですが、物語が進むにつれて徐々に正体が分かっていったが、個人的に身分を最後の戦いのところまで見せないで欲しかったで。謎の女としてずっといて、ラストにあの衣装で敵の攻撃を止める!ラストでルーサーのヒーロー達が映っている動画に彼女もいる、みたいな展開の方が驚いてワクワクしたかも…あくまで自分の意見。
 
とまあ、批判ばかり書いてきたが良かった点を挙げるとするとやはりアクション。スーパーマンの大味のアクションシーンは個人的には好みではないが、悪くはない。それ以上にバットマンのアクションがダークナイト3部作よりカッコよかった。ノーランはアクションが下手と言われてきたが、明確な比較対象があると、やはり劣っていたのだと実感。まあ、相変わらず敵は極力銃を使わずに、順番を守って、一人づつバットマンとやり合うというのは変わらないだが(笑)
 
それと初バットマンとなったベン・アフレックだが、正直こんなにハマっているとは思わなかった。本当に上手く演じていた。スーツ姿の時はヒゲをちゃんと剃ってほしいというのはあるが、それは好み(笑)そこだけ目をつぶれば、ウェイン役としても満足。人物描写はまったくなのにこんなにも良かったのはベン・アフレックのおかげだろう。このまま続けてほしい。
 
今回の作品で実感したのは、自分が思っている以上にバットマンが大好きということ(笑)バットマンのビジュアル、アクション、バットモービルを操縦している姿等々、本当にワクワクした。
 
本心としてはスーパーマンとわざわざ戦わずとも、またジャスティス・リーグをやらなくてもいいからバットマン単体の作品を観たいと切に思い、劇場を出た。
 
 
 
点数
50点
基本的にバットマンもスーパーマンも共闘する過程が雑過ぎる!
ジャスティス・リーグ』よりも、はやくバットマン単体の作品が観たい!