【ネタバレあり】ファンタビの続編としては失格『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

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ファンタビの続編としては失格『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

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レビュー/感想

ハリーポッターシリーズのスピンオフ「ファンタスティック・ビースト」シリーズ第2弾、「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」。

 

前作の「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」はウィザーディング・ワールドの中でもかなり好きな部類の作品だった。「ハリーポッターと賢者の石」以来となる魔法世界の憧れを真正面から描き、それにワクワクをしたからだろう。ハリーポッターの世界観(魔法世界)の差別化として、魔法動物達をメインとして持ってくる、YouTuber的なコンセプトもツボにハマり、ハリーポッターシリーズと肩を並べられるほど好きな一本となった。


純粋に前作の再体験を期待して、「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」を鑑賞。うん。期待してたのと全然違った。まあ、そんなことはよくある話ではあるのでいいのだが、プラスに働いたことは皆無である。

今作は純粋に魔法動物達の活躍、登場が少ない。それにより、前作の魔法世界に関するワクワク感も必然的に少なくなる。「賢者の石」の後に、「秘密の部屋」ではなく、「不死鳥の騎士団」がきた感じ。「秘密の部屋」が見たかった。いや、「秘密の部屋」は見たいわけではなく、魔法のワクワクを見たいのだ。3部作ならまだしも、5部作にする予定なら、今作は魔法動物をもっと出して笑


今作はニュートというより、グリンデルバルドが主人公。ダンブルドアの登場や、ハリーポッターシリーズを見ていれば出てくる名前がてんこ盛りなので、コアなハリーポッターファンはとてもテンションが上がるだろう。もっと予習していけば楽しめたことを後悔。

 

 


グリンデルバルドに関しては、ヴォルデモートよりも凶悪ではないが、魔法の強さは感じたので、ヴィランとして○。色々と批判があったが、ジョニーデップでよかったと思う。願わくば、演説シーンの迫力がもう少しあれば良かったかなと(あとカメラワークが微妙)「リンカーン」のダニエル・デイ・ルイスのみたいな。けど、おおむね満足。

言葉で仲間に引き入れるのはヴォルデモートとは違い、魅力的。演説のシーンで、ファンタビのテーマの一つであろう「差別」に関して語られ、共感する者が現れる。テーマをビジュアルで表現されている。これからの展開には重要なシーンではあるが、ハリーポッターの焼き回し感は否めない。ファンタスティック・ビーストシリーズは魔法動物を中心にしないとハリーポッターとの差別化という意味で、独自性を発揮しない。つまり、ハリーポッターのスピンオフとしての価値は魔法動物達が、グリンデルバルドによってどうなっていくのかによって、テーマ的にもスピンオフの価値、ニュート・スキャマンダーの価値が出てくるように思うので、そこは次作に期待。今作は失格。


まあ、5作品作る中の2作目だからシリーズの評価はできないので、これはこれでいいかと思いますが、単体での評価もしっかりとさせていただきます。意味はそこまでないかもしれませんが。

 


今作単体:40点。

シリーズとして:未定

 


最後に、相変わらず魔法省はポンコツで相手の思うツボなのはどうにかなりませんか?まるで、ダークサイドに全く気づかないどっかの騎士のようなので改善を要求します。

 

監督:デビッド・イェーツ

原作・脚本:J・K・ローリング

出演者:

エディ・レッドメイン

キャサリン・ウォーターストン

ダン・フォグラー

アリソン・スドル

ジュード・ロウ

ジョニー・デップ