『007 カジノ・ロワイヤル』感想/ダニエル・クレイグ ボンド最高傑作

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007 カジノ・ロワイヤル

2006年公開
スタッフ
監督
製作
製作総指揮
アンソニー・ウェイ
カラム・マクドゥガル
原作
脚本
ニール・パービス
キャスト
エバ・グリーン
 

あらすじ

英国諜報部MI6のスパイである‘00’の地位に昇格したジェームズ・ボンドダニエル・クレイグ)は、最初のミッションとして国際テロ組織のネットワークを絶つ任務を課される。テロ組織の資金源であるル・シッフルと接触を命じられたボンドは、モンテネグロのカジノでル・シッフルと高額の掛け金のポーカー対決を開始する。
 
シネマトゥデイ(外部リンク)
 

感想

堕ちるところまで堕ちた…それがピアース・プロセナン版の007の自分の評価だ。初めて観た007がプロセナンということもあり、好きではあった。しかしプロセナン最後の作品『007 ダイ・アナザー・デイ』で全てを台無しにした印象だ。車が完全ステルス、CG丸出しのアクショシーンで、007シリーズの中でも上位にくる破天荒さ、ボンド交代もやむなしであった。その中で、6代目ジェームズ・ボンドに選ばれたのは、金髪で目が青く、背もそんなに高くないというこれまでのボンドの要素がないダニエル・クレイグ。しかも、原作の1作目『カジノ・ロワイヤル』を持ってくるという力の入れよう。非難轟々で反対運動まで起きた。おそらく、それを黙らすのは作品の出来でしかないのだろう。そういう意味では、これ以上ないものを作り上げたと思う。個人的に007最高傑作の『007 ロシアより愛をこめて』と同等レベルの傑作だと考える。素晴らしい。ボンドっぽくないという批判はあるかもしれないが、ヴェスパーとの知的な会話、人妻を鮮やかに誘惑するあたりはボンドとして合格点。多少、闘い方にスマートさが足りないが、007になる(なって間もない)話なので許容範囲であろう。自分は、荒っぽく闘うボンドに自殺願望のような、自暴自棄な感じを受け、それがヴェスパーとの関係で人間になっていく様がとてもハマった。これも、脚本のポール・ハギスのおかげだろう。00年代中盤の彼はスゴかった。クリント・イーストウッドミリオンダラー・ベイビー』、自ら監督としてアカデミー賞を獲った『クラッシュ』、そして今作。今は鳴かず飛ばずといった印象だが、また傑作を期待したい。
ラストはジェームズ・ボンドお決まりのセリフで幕を閉じる。多少、分かりづらい所もなくは無いが、007リブート1作目としては満点の出来ではないだろうか。これ以降のダニエル・クレイグ版 ボンドに大きな期待を持てる『007 カジノ・ロワイヤル』オススメ。
 

点数

90点
新生007としては100点満点!
2015.11.27