『アントマン』小さくなるだけが能力じゃない!家族愛に包まれるアベンジャーズ史上最高の等身大ヒーロー【ネタバレあり・評価】
マーベル・スタジオ製作の『マーベル・シネマティック・ユニバース』フェーズ2のラストを飾るニューヒーロー『アントマン』。特殊なスーツを着用することにより、身長を1.5cmまで縮小させ、仲間のアリ達と協力しながら、ミッションを行う。一見地味な能力とユーモア溢れるアクション、そして何より骨太の家族愛をじっくりと堪能できるアベンジャーズ史上最高の等身大ヒーロー物語となっている。
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作品情報
あらすじ
仕事もクビになり、養育費が払えないため最愛の娘にも会えないスコット・ラング。そんな崖っぷちのスコットに、謎の男ハンク・ピムから意外な仕事のオファーが届く。それは、体長わずか1.5センチになることができる特殊スーツを着用し、「アントマン」になるというものだった。選択の余地がないスコットは渋々ながらもアントマンとなり、人生をやり直すための戦いに乗り出す。 引用:映画.com
スタッフ
監督 :ペイトン・リード
製作 :ケビン・フェイグ
製作総指揮:ルイス・デスポジート
アラン・ファイン
ビクトリア・アロンソ
マイケル・グリロ
スタン・リー
脚本 :エドガー・ライト
アダム・マッケイ
撮影 :ラッセル・カーペンター
美術 :シェパード・フランケル
衣装 :サミー・シェルドン
編集 :ダン・レーベンタール
コルビー・パーカー・Jr.
音楽 :クリストフ・ベック
キャスト
- ポール・ラッド
- エバンジェリン・リリー
- コリー・ストール
- ボビー・カナベイル
- マイケル・ペーニャ
- ティップ・“T.I.”・ハリス
- ウッド・ハリス
- ジュディ・グリア
- デビッド・ダストマルチャン
- マイケル・ダグラス
- アビー・ライダー・フォートソン
- アンソニー・マッキー
- ヘイリー・アトウェル
- ジョン・スラッテリー
- マーティン・ドノバン
- ジョー・クレスト
- クリス・エバンス
- セバスチャン・スタン
上映時間
117分
公開日
北米公開日:2015年7月17日
日本公開日:2015年9月19日
制作費
$130,000,000(推定)
興行収入
北米興行収入: $180,202,163, 17 December 2015
『アントマン』ネタバレありの感想・レビュー
正にディズニーとしてのヒーロー『アントマン』
『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』『マイティ・ソー』など、新たなヒーローを次々と生み出している「マーベル・スタジオ」。数々の世界を共有し、拡大し続けている「マーベル・シネマティック・ユニバース」の中でも異色のヒーローがこの『アントマン』だ。
ピム博士が開発した身体を1.5cmに縮小できるスーツを使い、敵と戦うスーパーヒーロー誕生の物語。刑務所から始まる物語が象徴するように、人生の瀬戸際にいる主人公スコット。生活のために再び犯罪に手を染めるが、ピム博士の強引な依頼により、愛する家族を取り戻すためにアントマンとなり、世界を救う。
面白いのは自身が使い捨てになるとわかっていて、依頼を受けるところだ。ピム博士も、娘のホープも、スコットを泥棒の世界から救ってくれるわけではない。それをわかっていて、娘のために依頼を受ける。泥棒でありながら、一人の父親であることを強調される。他にもピム博士がスコットをアントマンに選んだ理由を静かに語るシーンなど、作品全体が、家族愛に包まれている。まさにディズニーの理念をそのまま映画にしたかのようだ。敵との最終決戦では、娘を守るために戦うというお父さんに媚を売っているようにか思えないシーンを持ってくるあたりも周到である。わかっていても感動してしまう。
随所に子供向けともいうべきだろうか、ハリウッド大作ならではの映像を楽しむことができる。初めてスーツを着て縮小したバスタブのシークエンスや、同じ縮小の能力をもつ敵との対決は、『アントマン』ならでは。予告編で戦闘シーンなどが、ほとんど出してしまっているので、驚きは少ないが、1.5cmの世界をじっくり体験することができ、それだけでも価値がある。『キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー』などのリアル系の映像が多かった中で、差別化されている。他にも様々な種類のアリが登場(個人的には、アリに良い思い出がないのでキツい)するなど、子供が興味がありそうなものがうまく配置しており、飽きさせない。中でも、アントマンの相棒的なポジションの「アントニー」というアリ。羽が生えていて、アントマンを乗せて飛ぶことが可能で、銃弾に散った時は悲しく、スコットの叫びと共鳴するかのようだった。
家族愛から、アクションまでをこれでもかと詰め込んだ、これぞディズニーと思う一作。飾りのない、等身大のヒーローを楽しむことができる。
マイケル・ダグラス ー 最高の演技
今作でもっとも感動したのは、スーツを開発し、初代アントマンだったピム博士を演じるマイケル・ダグラスのくたびれた男の演技だ。ダグラスと言えば、『ウォール街』などのビシッとしたスーツを着て、自信満々に生きている男の役が多かったし、その印象が強かった。それが70歳近くの年齢を包み隠さずさらけ出し、寂しげで弱いながらも時にコミカルで、自分の信念を曲げないピム博士というキャラクターを完璧に作り上げている。
正直、『アベンジャーズ』や『アイアンマン』、個人的にMCUナンバーワンの『ガーデォアンズ・オブ・ギャラクシー』などの作品を見渡しても、ここまでのキャラクターはいなかったと思う。ラッドをアントマンにした理由を話シーンは、今作屈指の名シーン、いやMCUの中でも屈指の感動シーンではないかと思う。マイケル・ダグラスの演技だけでも見る価値はあると思う。
ファルコンも登場?アベンジャーズとの接点
MCU作品の一作である『アントマン』は、アベンジャーズに合流が決まっている。
すでに2016年公開の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で、アイアンマンやキャプテン・アメリカと共演している。『アベンジャーズ』への出演は、続編『アントマン&ワスプ』後に公開される『アベンジャーズ/エンドゲーム』にて、アベンジャーズに参加予定である。
今作では、ピム博士が元S.H.I.E.L.D.の一員だったことが明かされるなど、他のMCU作品との世界観の共有はされている。トニー・スタークのアイアンマンをバカにした発言をしているので、ピム博士とスタークとの共演も見てみたいものだ。ちなみに原作では、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の「ウルトロン」を作り出したのは、トニースタークではなく、ピム博士らしい。
他にも、ファルコンとアントマンとの対決が見れるなど、嬉しいサービスシーンもある。今後のアベンジャーズとの絡みも楽しみだ。
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筆者「CK」の評価
評価:良作
家族愛に胸を打たれる。虫好きではないので、少々キツい場面があり。物語、アクション共に安定のクオリティ。
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