『マイティ・ソー バトルロイヤル』ようやく見つけたソーとロキの活かし方【ネタバレあり・評価】

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マイティ・ソー』シリーズ3作目となる本作では、豪快で空気読めない王子様なソーとコンプレックスにより内向的なロキというキャラクターが今作では大きく変更となっている。作風も前作の失敗を受けてか、シリアスから、コメディ路線に大きく舵を切っていることもあり、キャラクターとして一皮剥け、新たな土壌で、活き活きとしたソーとロキを見ることができる。

また、ソーとロキの他にアベンジャーズで共闘しているハルクが登場。本編にがっつり絡んでおり、とてもマーベルファンにとっては嬉しいタッグが見どころとなっている。

マイティ・ソー バトルロイヤル 映画 続編

引用:『マイティ・ソー バトルロイヤル』公式サイトより
目次

作品情報

あらすじ

人工知能ウルトロンとアベンジャーズとの戦いから2年、アスガルドを追放された父オーディンを捜しにニューヨークへやってきたソーだったが、突如として現れた強大な敵ヘラによって宇宙の果ての惑星に飛ばされてしまう。その星で行われていた格闘大会に出場させられたソーは、対戦相手として盟友ハルクと再会。危機を乗り切った2人はヘラを倒すためアスガルドへ向かい、わけありの女戦士ヴァルキリー、そして宿敵であるロキも仲間に加え、チームを組んでヘラに挑むが……。引用:マイティ・ソー バトルロイヤル : 作品情報 - 映画.com

キャスト

クリス・ヘムズワース
マーク・ラファロ
トム・ヒドルストン
ケイト・ブランシェット
テッサ・トンプソン
アンソニー・ホプキンス
イドリス・エルバ
ジェフ・ゴールドブラム
カール・アーバン
浅野忠信
ベネディクト・カンバーバッチ
タイカ・ワイティティ
レイチェル・ハウス
レイ・スティーブンソン
ザカリー・リーバイ
クランシー・ブラウンスルト
マット・デイモン
ルーク・ヘムズワース
サム・ニール

スタッフ

監督

タイカ・ワイティティ

製作

ケビン・ファイギ

製作総指揮

ルイス・デスポジー
ビクトリア・アロンソ
ブラッド・ビンダーバウム
トーマス・M・ハメル
スタン・リー
共同製作

デビッド・J・グラント

原案

クレイグ・カイル
クリストファー・ヨスト
エリック・ピアソン
脚本

エリック・ピアソン

撮影

ハビエル・アギーレサロベ

上映時間

130分

公開日

日米:2017年11月3日

制作費・興行収入

制作費

$180,000,000

興行収入

北米: $315,058,289

全世界: $853,977,126

引用:Mighty Thor: Battle Royale (2017) - IMDb

前作の批評

www.ck-uence.com

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マイティ・ソー バトルロイヤル』のネタバレあり感想・レビュー

ようやく見つけたソーとロキの活かし方

前作『ダーク・ワールド』の失敗

マイティ・ソー』シリーズは『マーベル・シネマティック・ユニバース』作品の中で唯一、監督の続投が一度も行われなかったシリーズだ。

アベンジャーズ』のジェス・ウェドン、『アイアンマン』のジョン・ファヴロー、『キャプテン・アメリカ』のルッソ兄弟、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンアントマン』のペイトン・リードなどがそれぞれのシリーズで2作、監督を務めている。

マイティ・ソー』はケネス・ブラナーマイティ・ソー/ダーク・ワールド』はアラン・テイラーが監督を務めているが、いずれも続投とはなっていない。その大きな要因としては、シリーズのテイストを確立することができなかったからではないだろうか。特に前作の『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』は『ダークナイト』を彷彿とさせるシリアステイストの作風で勝負した作品だ。もともと『マーベル・シネマティック・ユニバース』は、コミカルで明るい作品が多い中での挑戦作だったが、結果は惨敗。作品自体がわかりにくかったこともあるが、目指したダークな世界観は、マーベルのファン層に受け入れられなかった。

コメディ路線の確立

『ダーク・ワールド』の失敗を経て、今作『マイティ・ソー バトルロイヤル』では大きくシリーズの方向転換を行った。シリアスからコメディ作品への軌道修正だ。マーベル作品では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『アントマン』などコメディ路線で大ヒットした好例があるが、それをソーで行うというのは賭けと言ってもいいかもしれない。結果としては見事に路線変更を成功させたと思う。

アベンジャーズ初期メンバーのソーは、ハルクと肩を並べる程のパワーを持つ、アベンジャーズの中でも最強キャラクターの一人である。そのソーがグランドマスターやヴァルキーなどに振り回される展開は、最強のソーを知っている観客からすると、そのギャップで思わず笑ってしまう。

 

特に闘技場でのシーンはロキが見事なフリからのハルク登場。そしてハルクを圧倒するソーという漫才のようなオチがついた見事なコメディのシークエンスとなっている。それ以外にもオープニングのスルトとの戦いなど、おしゃれ、かつユーモア溢れるシーンで彩られており、新たな方向性が掲示された作品と言っても過言ではない。

個人的には、前作がとても不満だったので、今回の方向性はとても歓迎。願わくはこの世界観を作り上げた、監督のタイカ・ワイティティでもう一作、『マイティ・ソー』を見てみたいものだ。

アスガルドの王としての決断

ユーモアたっぷりのシーンが多いのが特徴の『バトルロイヤル』ではあるが、本筋はアスガルドの王子ソーが真の王になるための物語が描かれており、いたって真面目である。

父でありアスガルドの王、オーディンが亡くなる冒頭で、追放されていたソーの実の姉であるヘラがヴィランとして登場する。そのヘラにより、ソーの武器であるハンマーが破壊されてしまう。ヘラとの初戦を破れたソーは、行き着いた辺境の惑星で捕らえられ、自慢の長髪をバッサリと切られるなど、ソーのアイコンとなる要素がことごとく破壊されてしまう。この身一つの状況の中で、自分のアイデンティティーを見つめなおすストーリーなのだ。

宇宙の放浪し、仲間と共にアスガルドに戻ったソーがヘラと対峙する。ヘラとの戦いの中で、ハンマーなしで雷を自在に操ることができるようになるのだが、初めて雷を自在に操り、ヘラに渾身の一撃を与えるシーンでは今作屈指の爽快感が味わえる。

渾身の雷を受けても死なないヘラからアスガルドの民を守るため、アスガルドを犠牲にする決断を下す。それは自分の弱さを認めることにもなり、ソーという主人公の変化、そして王として決断をすることができる器であることを表現している。

結果、アスガルドの犠牲によってヘラを倒し、残されたアスガルドの民は宇宙をさまよう、移民としてラストを迎える。レッドツェッペリンの「移民の歌」で、そのことをストーリーたBGMで説明している。見事なエンディングとなっている。

アベンジャーズとの関連性

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ほどではないが、マーベルのヒーローが登場をしている。本作では、ハルクががっつり物語に絡んでいる。ソーとハルクが共闘する姿がアベンジャーズ以外の作品で見れるとは、さすがマーベルである。その他にもドクター・ストレンジが登場するなど、マーベル世界の拡大がされている。

本作のエンドクレジット・シーンで登場する宇宙船は、サノスが乗る船で『アベンジャーズ/インフォニティ・ウォー』で、そのシーンとの繋がりがあるようだ。

「CK」の評価

評価:傑作

マイティ・ソー』作品は、あまりパッとしない作品が続いていたが、本作で新たな方向性を作り上げたことは称賛に値する。個人的にも大満足の一作。

マーベル・シネマティック・ユニバース作品はこちら

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